Googleストリートビュー認定フォトグラファーの、ごんたです。
THETAなどの360度カメラで撮影する際、三脚や手持ちしている撮影者自身が映り込みます。
インドアビューなどに使いたい場合は、消したいですよね?あまり手間をかけず簡単に不要な要素を360度写真から削除する編集方法を解説していきます。
まず以下の画像が、Before(作業前)。撮影者自身がTHETAを持っているので、当然映り込んでいます。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
加工して、撮影者を画像から消した360度画像がこちらです。
ブログ記事用のサンプル素材です。 – Spherical Image – RICOH THETA
作業時間は3分程度。利用するソフトはAdobeのPhotoshop。削除したい対象をクリックし塗りつぶしただけで、ほどほどのクオリティーに仕上がります。
「そもそも撮影者を映りまないようにならないの?」「撮影後の加工は面倒」という方向けの記事はこちらです。
目次
THETA等の360度カメラ画像に映り込んだ撮影者・三脚を消す編集方法
THETAで撮影した画像内から、カメラの真下に映り込んだ撮影者・三脚を消すザックリとした流れです。
- Photoshopを起動
- ファイルを開く
- 玉パノラマレイヤーを作る
- 撮影者・三脚を選択
- 撮影者を塗りつぶす
- パノラマ書き出し
「③」以降の各ステップの詳細を解説していきます。
③玉パノラマレイヤーを作る
加工対象のレイヤーをアクティブレイヤーにします。この状態で、画面上部のツールバーにある「3D」をクリック。「玉パノラマ」→「選択したレイヤーから新規パネルレイヤーを作成する」を選択します。
3Dパノラマレイヤーにするとことで、以下のようにPhotoshop上でTHETAアプリのような操作が可能になります。
④削除対象の撮影者・三脚を選択
3Dの画面を操作し、撮影者が映り込んでいる部分を表示させます。
選択ツールで360度画像内より削除したい撮影者を選択します。サンプルのように、選択対象はおおざっぱで構いません。選択は慣れている自分の好きなツールで行ってください。私は多角形ツールを利用して、撮影者と撮影者の影を適当に選択しました。
3Dの操作になれずに撮影者部分を表示できない場合は、画像をクリックした状態でマウスを上下に操作してみましょう。
⑤撮影者を塗りつぶす
撮影者を選択した後、画面上部のツールバーより「編集」→「塗りつぶし」をクリックします。確認用のダイアログが表示されたら「内容」のオプションを「コンテンツに応じる」に設定し、「OK」をクリックします。
撮影者が自然に背景となじんだ状態で削除されていればこの工程はOKです。
もし自然な状態でなければ、新たに選択ツールで綺麗にしたいエリアを選択し塗りつぶしを行い調整を行いましょう。
今回のサンプルは一度の塗りつぶしだけで、画像から撮影者を消しました。
⑥パノラマ書き出し
塗りつぶしが完了したら、選択を解除(ショートカット[Ctrl]+[D])します。
ページ上部のツールバーから「3D」を選択し、→「玉パノラマ」→「玉パノラマを書き出す」を選択した後、任意の名前でファイル名を決定して保存します。
THETAのアプリで、撮影者が自然に消えているかを確認し作業完了です。
ツールバーの「3D」がグレイアウトして選べない場合
Photoshop上部に表示される「3D」をクリックし際に表示されるメニューが利用できない場合の対応方法です。
3Dのボタンがグレイアウト(灰色になって選択できない)状態になっている場合、理由は2つあります。
- Photoshopの設定の問題
- PCのハードウェアが対応していない
①Photoshopの設定の問題
Photoshopの設定で改善できます。Photoshop上部ツールバーから「編集」→「環境設定」をクリックします。
「パフォーマンス」の、グラフィックプロセッサーの設定を確認します。
チェックがオフになっていたら、この項目にチェックを入れて設定を保存します。設定が保存されたら3Dを選択し、メニューがグレイアウトしていないかを確認しましょう。
②PCのハードウェアが対応していない
ハードウェア上の問題があり、3D機能が使えない場合があります。3D機能が利用できない場合の原因のほとんどが、「グラフィックプロセッサー」が対応していないケースです。
以下は、公式サイトに掲載されている「Photoshop の必要システム構成」ページの情報です。
3D機能はVRAM の容量が 512 MB以上
nVidia GeForce GTX 1050 または同等
nVidia GeForce GTX 1660 または Quadro T1000 を推奨
もしシステム要件にあったハードウェア構成になっていない場合は、PC内部のハードウェアを交換するか、対応しているPCを使うことで3D機能が利用できるようになります。
【備考】撮影者や三脚をソフトで消すことを想定して撮影しよう
THETAなどの360度カメラで撮影すると必ず真下の三脚や撮影者が映り込みます。
今回の方法で簡単に三脚などを360度画像から削除することはできますが、より自然な状態に加工したい場合は以下の点に気を付けましょう。
三脚を置く位置が複雑な模様をしていないか?
ソフトが自動的に三脚を消し、背景を置き換えてくれる機能を使う場合にこのポイントを意識すると編集加工が楽になります。ソフトが自動で楽に仕事をしやすいようにすると、その後の補正作業がなくなります。
360度カメラを固定する三脚の位置:草むら
例えば以下ような草むらは、ソフトが楽に撮影者を消してくれます。
以下は今回紹介した選択ツールで選択後、自動で塗りつぶしを一度行ったものです。作業時間は3分未満。難しいテクニックを使わず、自動でここまで自然に撮影者を消してくれ大満足です。
360度カメラを固定する三脚の位置:マンホール
以下のサンプル画像では、マンホールに部分的に足がかかっています。
以下は塗りつぶしツールを使い、自動で撮影者を消したサンプルです。
マンホールの左端部分が妙な消え方をしていますよね?どうしてもこの位置で撮影するなら、マンホール等の目立つものがない位置で撮影するだけでその後の加工作業の工数が変わってきます。
THETAなどの360度で撮影し、その画像から撮影者を削除することを前提としている場合には三脚の位置(撮影者の場所)に注意しましょう。
THETAの360度画像から撮影者・三脚を消す編集方法のまとめ
Photoshopを使ってTHETAで撮影した360度画像の撮影者を消す編集方法を紹介しました。
THETAで撮影した画像データは、Photoshopで加工しても360度画像としてSNSやブログに貼り付けることが出来ます。
ごんたのカメラブログのサンプル画像です。 https://japanese-photographer.com/ #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
↑今回紹介した「360度写真の撮影者を消す」レタッチとは別に、白飛び・黒潰れを若干補正したサンプルです。360度画像はどうしても明暗差が出来てしまうので、合わせてレタッチすると良いですね。
360度画像の明暗差の補正方法については別記事にまとめておきましたので、興味があればご覧ください。
- 撮影機材:THETA S
- 撮影者:ごんた
- 撮影場所:リュブリャナ(98%日本人が一生訪れない国「スロベニア」の首都)
記事内でも書きましたが、「そもそも撮影者を映りまないようにならないの?」「撮影後の加工は面倒」という方向けの記事はこちらです。難しいテクニックは要りません。